CLOSING TIME
あらすじ
かつてコンビニ強盗に妻と子供を殺されたシナリオライターの男は、酒に溺れ、女の家を泊まり歩く、自堕落な生活を続けていた。いきつけのバーのマスターの忠告も聞かず、男は毎晩さまより歩き、赤毛の女やエイズ患者の青年などと出会いを重ねていく
この作品の感想を書くにあたって、なぜ私が北村一輝にハマったかという自分語りから始めたいのですが←ええ、気持ち悪いですとも。
それまでの私はどうだったか。俗に言う北村沢村問題で説明しますと、
北村さんと沢村さん見分けはばっちりついておりました。が、どちらが「かずき」でどちらが「いっき」かは混ざっているという。北村さんと沢村さんに特別興味のない平均的日本国民でした。
そんな私が初めてちゃんと視聴した北村作品が「螻蛄」でした。
この時点ではどちらかというと北村さんより「螻蛄」という作品自体が面白く思っていたのですが、
それから数日後、またもや偶然「舞妓Haaaan!!!」を視聴したのですが、
この作品、北村さんの出番は一分ぐらい?の極短なのですが、
北村さんが気持ち悪くて気持ち悪くて素敵なんですwwww
で、「北村一輝って面白いなw」となりまして過去作品を視聴し始めたのですが、
作品を視聴するだけで無く、
こんな誰も読んでないであろう、気持ち悪いだけのブログ←(しかも今更ブログww)を
始めるぐらい北村さんにハマった原因となる作品の一つがこの作品「CLOSING TIME」でした。
(じゃあこれから感想書けよって話ですなw)
肝心の内容ですが、
「久保きゅんは天使」
この一言ですべてが終わります。
この世の天使です。以上です。
っとこれで終わると気持ち悪い自分語りの方が長いやんけ!
という話になるので北村オタ視点の細かい感想を書きますね←当たり前
主人公と様々な男女との出会いと別れを描いたオムニバス形式の映画で、
四編の作品で構成されてます。
そのうちの「LONELY」にエイズ発症したホームレスの青年役でご出演されております。
当然短篇ですが、実質主人公との二人芝居の様なものですので、出番はたっぷりございます。
主人公(深水三章)と女性(安原麗子)が最後のキスをしているところを、
久保きゅんが盗み見るところから始まりますw(どんなシーンやねんww)
女性と別れ、歩き出す主人公を捨てられた子犬のように後を追いかけるのですが、
ついてくるなと邪険にされます。
当然です。久保きゅんってば中身は天使ですが、外見は本物のホームレスですもの。
しかも初登場時は目つきも危ないし。
役作りのために前歯を抜こうとして歯医者さんを困惑させる方ですから、
西成の炊き出しで並んでいても溶けこめる容貌です。
ホームレスっぷりを再現しすぎて静止画でみるとビビりますwww
蘇る金狼の由紀夫ちゃんも小汚いですが、久保きゅんの汚さとは勝負になりません。
あの姿で後ついてこられたら、走って逃げますよww
で、最初はそんな久保きゅんをかなり邪険にする主人公。
しかし「うまいもんおごりますよ。それと酒!」との久保きゅんの一言で警戒はしつつも一緒に行動し始めます←ちょろい奴ですw
しかし、久保きゅんがお金を持っているわけはなく、
お酒と食事(とんかつ)というのは飲食店から出る残飯なのです。
残飯を嫌がりつつも結局久保きゅんの住処である河川敷に持っていって、
二人で一緒に食べるのですが、
ここから、天使が本領発揮いたします!!
とんかつとお酒を本当にうれしそうに楽しそうに主人公に勧める久保きゅん
この地点で外見のことなど忘れ、久保きゅんが可愛くなってくる私←ちょろすぎw
季節は冬、何の仕切りもないため、寒い寒いと言い出す主人公が寝袋は一つしかないかと尋ねます。
久保は一つしかないため一緒に使おうと提案するも「何かされたら嫌だから」と断る主人公。
「何もしない」と言うも主人公に信じてもらえず、
結局極寒の中、寝袋を主人公にゆずる久保きゅん。
で、当然のように使う主人公www
そして、久保に働かないのかと聞く主人公に対し、人のために働きたくないと答える久保。
自分のために働くんだという主人公に対し、あんたはそうだったの?と尋ね返した後、
自分はエイズを発症していること。
しかも母親経由で感染したことを話し、
死ぬのは自分だけじゃないけどと呟いた後、
自分の話はしたくない。楽しめなくなるからと告げる久保。
そして寒さで体を小さくし座る久保と、寝袋に入り寝転んでいる主人公の会話を始めます。
主「寝てたんじゃないのか」←この寒さで寝れるわけないやろ凍死させる気か!?
久「考え事してた」
主「大丈夫なのか、寒くないのか?」←大丈夫なわけないやろ!
久「平気」←天使(涙目)
主「とんかつ食ったもんな」←お前もくったやろ!!
「こっち(寝袋に一緒に)入ってもいいぞ。いいんだぞ」
久「……。寒い。
…生きてるんだよな(涙声) ……おやすみなさい」
という二人の会話と私の心のツッコミが続くのですが、
結局久保は寝袋に入っていきません。
でも主人公が「こっちに入っていいんだぞ。」と言ったとき、
久保がうれしそうに、でもすこしぎこちなくほほ笑むんです。
この表情が本当に素晴らしいんです。
それに私の稚拙な文章ではうまく表現できませんが、
上の会話の間と言い回しが素晴らしいです。
今まで、久保の人生がつらいものであったことがすごく伝わってきます。
で、次の日の朝になり、座りながら寝てしまった久保きゅんに寝袋がかけられているわけですが、
久保きゅんがすごい勢いで震えだします。
震え方に驚いた主人公が病院に連れて行きます。
(勢いすごすぎて視聴者もびっくりですw)
病院から出てきた久保に主人公が「どうだった?」と尋ねると、
お金も保険も無いから怒られたと。
薬を処方してもらうことは出来たが、
自分はエイズを発症しているから、看護婦の安全を考えて注射は断られたと呟く久保。
そんな病院に怒る主人公。
怒りの余り怒鳴り込みに行こうとする主人公を体を張って止める久保。
病人相手に結構な激しさで取っ組み合いをしますwww
手加減しろよwww
その後河川敷に帰り、大丈夫だと言い張る久保に、主人公が入院したほうがいいと勧めます。
「保険証がないから無理」と断ると
保健所を実家から取り寄せろと、そして親兄弟いるのかと聞く主人公に
「無い」と答える久保。
「何もないのか?」との問いに「何もない」と久保。
煙草を吸おうとする主人公に、「何もない」久保が数少ない持ち物であるライターを渡します。
主人公の掌にライターをのせてぎゅっと握ります。
その夜、今度は主人公が久保のためにとんかつとお酒を持ってきます。
しかし、見るからに衰弱して食べられない久保。
見かねた主人公が少し遠いが、自分の家に行こうと誘います。
あったかいベットもあるし、治らなければ自分の保険証使って病院に行けと言います。
主人公がホームレスじゃなかったことに驚き、主人公の思い出を聞きたがる久保。
妻子が殺されたことを話し、すぐにタクシーで家に行こうと久保に言います。
しかし久保は衰弱しているにもかかわらず、
「そんなお金ないでしょ?人に迷惑をかけてはいけない」と断ります。←本当に天使(号泣)
そんな久保に「何を言ってるんだ」と、久保のために怒る主人公。
自分のために怒ってくれることに泣き出してしまう久保。
で、主人公の家に向かうタクシーの車内で、母親との楽しかった思い出を話している最中に久保は亡くなります
ね?天使でしょ?ただの天使さんでしょ?
しかもこの天使ってば年上男性(主人公)に対して弟属性出して来よるんですよ。
上で外見を比較してた由紀夫ちゃんも哲也に対して甘えるんですが、
甘え方があざとかわいい感じがします。←それはそれで大好物で大変萌えるんですがw、
それに対して久保きゅんは、すごいぎごちなく甘えてる感じがして愛おしくなるんです。
「早く!早く久保きゅんに温かい部屋と、
温かいベットと、温かい食べ物あげて!!
はやくぅー!!」(大声)
っとなります。
妻子の思い出から逃げていた主人公が、思い出が沢山詰まった家に帰ってまで、
久保きゅんを助けたくなった気持ちがよく理解できます。
最初はぎょっとした汚い外見ですがそれがかえって、
うれしそうに食べ物をすすめたり、数少ない持ち物を渡したり、厳しい境遇にありながら「人に迷惑をかけてはいけない」という久保を愛おしく感じさせます。
そして、エイズであるが故の辛さ、
つらい仕打ちをすべてを受け入れ許し、
つらい仕打ちを受けた故、人からの好意に対しぎこちなくなってしまっている、
そんな久保を演じる北村さんの演技が素晴らしく、
まんまと大天使北村一輝ハマってしまいましたwwwww
ストーリー自体はよく言えば王道。粗方よめてしまうストーリーです。
そのうえ、尺の都合上ストーリー展開が強引に感じられる部分がありますが、
演者さんの演技力でしっかりカバーされております。
小林監督の撮り方は結構クセがあるので、
好き嫌いが分かれる監督さんかと思いますが、
北村さんに興味がある方には、北村さんの素晴らしい演技と久保きゅんの天使っぷりを
ぜひご覧になっていただきたいです。
っと30分足らずの作品をこんなに長々と語る気持ち悪いブログですが、
本年もよろしくお願いいたします。←今更